Works — リフォーム/DX・AI導入支援
月180時間を、取り戻した。22名のリフォーム会社が日報・写真整理・報告メールをAIに任せた話
| 業種 | リフォーム |
|---|---|
| 規模 | 年商4.2億円/従業員22名/首都圏 |
| ご利用サービス | DX・AI導入支援(スタンダードプラン) |
| ご相談時の状況 | 日報・写真整理・顧客への報告メール。この3つで、社員1人あたり毎日1時間以上が消えていました。 |
※ ご要望により社名は伏せています。数値はいずれも実測値です。
相談をいただいた時点の状況
年商4億2,000万円、従業員22名。首都圏で、戸建てと集合住宅のリフォームを手がける会社です。専務にあたる方から、Webサイトのお問い合わせフォーム経由でご連絡をいただきました。
最初のオンライン相談で、こう切り出されました。「人を増やすしかないと思っているんですが、その前に何かできることはないでしょうか」。増員の稟議を出す直前だった、とあとで伺いました。
状況を伺うと、受注は順調でした。むしろ増えている。困っていたのは、受注が増えたぶんの事務作業に社内が追いつかなくなっていたことです。とくに日報・写真整理・顧客への報告メールの3つが、現場担当の時間を確実に食っていました。
「何分くらいかかっていますか」とお聞きしたところ、「1時間くらいでしょうか」という答えでした。この「くらい」が曲者です。感覚での見積もりは、たいてい実際より短く見積もられます。
22名のうち、現場に出るのは12名。この12名が毎日1時間を事務に使っているとすると、月に240時間です。人件費に換算すれば、それだけでかなりの金額になります。ただし、これはまだ推測でしかありません。
最初にやったこと ── ストップウォッチで測る
支援の初月は、実測だけをやりました。現場担当6名に協力いただき、2週間、3つの作業にかかった時間を毎回記録してもらいました。
やり方は単純です。作業を始めるときに開始時刻、終わったときに終了時刻をスマホのメモに残す。難しいことは求めません。ここで凝った計測ツールを入れると、計測すること自体が新しい負担になります。
2週間分を集計した結果が、こうでした。
| 作業 | 1回あたり | 1人あたり月間 | 12名合計 |
|---|---|---|---|
| 日報の作成 | 32分 | 11.7時間 | 140時間 |
| 現場写真の整理・振り分け | 48分/現場 | 6.4時間 | 77時間 |
| 顧客への報告メール | 21分/通 | 5.2時間 | 62時間 |
| 合計 | — | 23.3時間 | 279時間 |
月279時間。専務の感覚だった「240時間」より、さらに多い数字でした。従業員1人あたりの月間労働時間を160時間とすれば、およそ1.7人分にあたります。
この数字をお見せしたとき、専務は「増員の稟議を止めます」とおっしゃいました。1.7人分が浮くなら、採用する前にやることがある、と。
どこから手を付けるかを1つに絞る
3つとも同時に変えたい、というのが最初のご要望でした。お断りしました。
同時に3つ動かすと、たいてい3つとも止まります。現場の負荷が一度に増え、どれが効いてどれが効かなかったのかも分からなくなるからです。
最初に手を付けたのは日報でした。理由は3つあります。時間の絶対量が最も大きいこと。毎日発生するので効果が体感しやすいこと。そして、日報が整えば写真整理と報告メールの材料にもなること。
順番の決め方
効果の大きさだけで選ぶと失敗します。「毎日やる作業」から手を付けるほうが定着します。月1回の作業を効率化しても、使い方を忘れてしまうためです。
逆に、報告メールは最後に回しました。顧客に出す文章なので、品質の担保に時間がかかると読んだためです。実際そのとおりになりました。
打ち手① 日報を「書く」から「直す」に変えた
それまでの日報は、事務所に戻ってから白紙のフォーマットに書き起こす形でした。1日の記憶をたどりながら書くので、時間がかかるうえに内容も人によってばらつきます。
変えたのは、入口です。現場で撮った写真と、一言メモから、日報の下書きが自動で立ち上がる形にしました。担当者がやるのは、出てきた下書きを読んで直すことだけです。
一言メモは、本当に一言で構いません。「洋室6帖・クロス下地処理まで完了」「浴室・給湯器の位置が図面と相違、施主確認済み」。この程度です。音声入力でも構いません。
- 写真は現場で撮ったものをそのまま使う。撮り直しはさせない
- メモは1行。フォーマットを決めない
- 下書きは3〜5行。長い日報は誰も読まない
- 直すのは事実誤認だけ。文体は直させない
最後の「文体は直させない」が意外に重要でした。人は自分の文章の癖に手を入れたくなります。そこに時間を使い始めると、削減効果が消えます。日報は記録であって、作品ではありません。
導入から3週間で、日報作成は32分から9分になりました。想定していたのは12〜15分だったので、予想以上でした。
打ち手② 写真の振り分けを撮影時点で終わらせた
写真整理に48分かかっていた原因は、事務所に戻ってから振り分けていたことでした。1日で100枚以上撮ることもあり、どれがどの現場のどの工程かを思い出しながら仕分ける。これは苦行です。
やり方を変え、現場ごとにフォルダを先に用意し、撮った直後に投げ込む運用にしました。工程の判定は、写真の内容から自動で候補を出す形にしています。
完全な自動分類は狙いませんでした。精度を上げようとすると、確認の手間がかえって増えるからです。7〜8割合っていれば十分という設計にして、間違いだけ直してもらう形にしています。
結果、48分が11分になりました。減った37分のうち、大半は「思い出す時間」です。作業そのものより、記憶をたどる時間のほうが長かったということです。
打ち手③ 報告メールに型をつくった
最後が顧客への報告メールです。21分かかっていました。内訳を見ると、書く時間よりも「どう書くか迷う時間」が長い。とくにトラブル報告や追加費用の連絡は、書き出しで手が止まります。
現場状況を入れると報告文の下書きが出る形にしたうえで、場面別に5つの型を用意しました。
- 定期進捗の報告(週1回)
- 工程変更のお知らせ
- 追加工事の提案と費用連絡
- トラブル・遅延の第一報
- 完工報告とアフター案内
型があると、書き出しで止まりません。とくに4つ目のトラブル第一報は、早さがすべてです。「まず一報を入れる」ことのハードルを下げるだけで、クレームの深刻化がかなり防げます。
ただし送信前に必ず人が読むことを絶対の条件にしました。顧客に出す文章を、確認なしで送る運用は絶対に組みません。ここは例外を認めていません。
報告メールは21分から6分になりました。3つのなかでは削減幅が最も小さいのですが、担当者からは「いちばん楽になった」という声が出ています。心理的な負担が大きい作業だったためです。
つまずいた点 ── 2名が最後まで使わなかった
12名のうち2名が、導入から2か月経っても従来のやり方を続けていました。年齢は40代と50代です。
最初は「慣れの問題だろう」と考えていました。違いました。個別に話を聞いたところ、原因は別のところにありました。
「自分で書かないと、現場を見たことにならない気がする」
これは効率の問題ではなく、仕事に対する考え方の問題でした。日報を書く行為そのものが、その日の現場を振り返る時間になっていたのです。
無理に変えませんでした。その2名には従来のやり方を続けてもらい、代わりに写真整理と報告メールだけ新しい形にしてもらったのです。結果、その2名も月10時間程度の削減にはなっています。
全員を同じ形に揃えることが目的ではありません。会社全体の時間が減れば十分です。ここを原理原則で押し切ろうとすると、たいてい人が辞めます。
結果 ── 月180時間、人件費換算で年間420万円
支援開始から8か月後の実測値です。
月279時間かかっていた3つの作業が、月99時間になりました。削減分は月180時間です。
人件費に換算すると、年間420万円にあたります。従業員1人分の工数がまるごと浮いた計算です。専務が止めた増員の稟議は、その後も出されていません。
それだけでなく、副次的な効果が2つ出ました。1つは、日報の内容が揃ったことで、現場間の情報共有が速くなったこと。もう1つは、顧客への報告頻度が上がったことです。
後者は数字にも表れました。工事中の問い合わせ電話が、月あたり3割減っています。施主から「どうなっていますか」と聞かれる前に、こちらから伝わっているためです。
時間の削減は、目的ではありません
浮いた180時間で何をするかが本題です。この会社では、現場担当が施主との打ち合わせに使う時間を増やしました。結果として提案の質が上がり、追加工事の受注が伸びています。
やらなかったこと ── 見積と積算には手を付けなかった
この会社でも、見積作成には1件あたり2時間近くかかっていました。金額だけ見れば、日報より大きい。それでも手を付けませんでした。
理由は2つあります。1つは、見積の精度が受注に直結するため、失敗したときの損害が大きいこと。もう1つは、単価表が整っていなかったことです。
見積にAIを使うには、自社の単価が言語化されている必要があります。この会社では、単価が担当者ごとのExcelに散っており、同じ工事でも人によって金額が違う状態でした。ここを整えないままAIを入れると、それらしい数字が出てくるだけです。
専務には、こうお伝えしました。「見積は効果が大きいぶん、準備も要ります。まず日報で成功体験を作ってから、単価表の整備に入りましょう」。順番を守ることが、結局いちばん速いという判断です。
実際、日報・写真・メールの3つが定着した8か月目から、単価表の整備に着手しています。こちらは1年がかりの作業になる見込みです。
導入して分かった、AIが向かない業務
8か月やってみて、この会社で「AIに任せないほうがいい」と判断した業務も見えてきました。参考までに挙げておきます。
- クレーム対応の最終判断──下書きは作れるが、送るかどうかは必ず人が決める
- 職人への作業指示──口頭のニュアンスが大事な場面が多く、文書化すると逆に伝わらない
- 近隣挨拶の文面──定型化すると、かえって心証を悪くする
- 施主との金額交渉──関係性の文脈が要る。文章の巧拙の問題ではない
- 安全に関わる判断──例外なく人が判断する。ここは議論の余地なし
共通しているのは、「間違えたときの損害が大きい」か「関係性が絡む」ものです。逆に言えば、間違えても直せる作業からやるのが定石になります。
導入前に、この線引きを社内で共有しておくことをお勧めします。あとから「そこまでやらせるつもりはなかった」となると、現場が混乱します。
よくいただく質問
「うちの規模でも意味がありますか」──従業員10名を下回ると、削減できる絶対量が小さくなります。目安として、事務作業が月100時間を超えているかどうかで判断してください。それ未満なら、業務の順番を見直すほうが効きます。
「セキュリティは大丈夫ですか」──入力してよい情報の線引きを、最初に文書化します。この会社では、施主の氏名と住所は入力しないルールにしました。物件を特定する情報を外すだけで、リスクはかなり下がります。
「使えない社員はどうしますか」──無理に使わせません。この案件でも2名は従来のやり方を続けています。全員を揃えることが目的ではなく、会社全体の時間が減ればいい。
「導入後、どのくらい手がかかりますか」──最初の3か月は、月2〜3時間の調整が必要です。それを過ぎると、ほぼ手がかからなくなります。半年経っても手がかかり続けるなら、設計が間違っています。
支援の進め方とスケジュール
スタンダードプラン(月30万円)で8か月続きました。
| 期間 | やったこと | 現地訪問 |
|---|---|---|
| 1か月目 | 3業務の実測(2週間)。集計と報告 | 2回 |
| 2か月目 | 日報の設計。試験運用を2名で開始 | 2回 |
| 3か月目 | 日報を全12名へ展開。手が止まる箇所を潰す | 3回 |
| 4〜5か月目 | 写真整理の運用変更 | 2回/月 |
| 6〜7か月目 | 報告メールの型づくりと展開 | 2回/月 |
| 8か月目 | 再実測。効果確認と引き継ぎ | 2回 |
3か月目に訪問を3回に増やしています。全員展開のタイミングは、いちばん手が止まる時期だからです。ここで放置すると、元のやり方に戻ります。
最終月に必ず再実測をします。最初に測った数字と比べないと、効いたかどうかを誰も判定できません。「体感で楽になりました」は、成果ではありません。
費用と、投資として見たときの回収
8か月で240万円(月30万円・税別)でした。
削減効果は人件費換算で年間420万円です。単純計算で7か月ほどで回収している計算になりますが、これは結果論です。契約時点でこの数字は保証していません。
契約前にお伝えしたのは、「まず2週間測りましょう。測ってみて、削れる時間が小さければ、この支援はやめたほうがいいです」ということでした。実際、他社では実測の結果「AIを入れる段階ではない」とお伝えして、そこで終わったこともあります。
月30万円は年間360万円です。パート事務を1名採用する費用に近い。どちらが自社にとって有効かは状況次第です。事務作業の絶対量が少ない会社なら、採用のほうが合理的なこともあります。
いま、どうなっているか
支援は月次顧問として継続中です。いまの主題は見積作成の効率化と、OB客への再アプローチに移っています。
日報の運用は、こちらが関与しなくても回っています。フォーマットの微調整は社内で行われるようになりました。私たちが抜けても続く状態になったということです。
使っていなかった2名のうち1名は、半年後に自分から「やってみます」と言い出しました。周りが楽になっているのを見ていたためだそうです。強制しなかったことが、結果的に良かったと思っています。
同じ状況の会社へ
「人を増やすしかない」と思ったとき、その前に一度測ってみてください。測るだけなら、費用はかかりません。2週間、開始時刻と終了時刻をメモに残すだけです。
測ってみて、削れる時間が月50時間に満たなければ、AIを入れる段階ではありません。素直に人を採るか、業務の順番を見直すほうが早い。AIは、時間が明確に消えている場所にしか効きません。
逆に月150時間を超えるようなら、ほぼ確実に打ち手があります。そのときは、いちばん時間を食っている作業を1つだけ選んでください。3つ同時は、やめたほうがいいです。
まず何から
無料相談では、どの作業をどう測ればいいかをお伝えします。測るところまでは自社でできます。その結果を持ってきていただければ、次に何をすべきかは30分で判断できます。
導入前と導入後で、1日の流れがどう変わったか
数字だけでは伝わりにくいので、現場担当の1日を並べてみます。
| 時刻 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 8:00 | 朝礼・現場へ移動 | 変わらず |
| 9:00〜16:00 | 現場作業・施主対応 | 変わらず。写真とメモを都度残す |
| 16:30 | 事務所へ戻る | 変わらず |
| 16:40〜17:10 | 日報を白紙から書く(32分) | 下書きを直す(9分) |
| 17:10〜18:00 | 写真をフォルダに振り分ける(48分) | 撮影時に振り分け済み。確認のみ(11分) |
| 18:00〜18:20 | 施主への報告メールを書く(21分) | 下書きを直す(6分) |
| 18:20〜 | 翌日の段取り/残業 | 段取りに充てられる時間が約1時間増えた |
注目していただきたいのは、いちばん下の行です。削減された時間は、そのまま帰宅時間の前倒しにはなっていません。翌日の段取りや、施主との打ち合わせに使われています。
社内でこの点を確認したところ、「早く帰れるようになった」という声より、「余裕をもって段取りできるようになった」という声のほうが多く出ました。効率化の成果は、必ずしも労働時間の短縮として現れるわけではありません。
それでも残業時間は月平均で6時間減っています。繁忙期の負荷が下がったことが大きいそうです。
3つの業務それぞれの、詳しい設計
実際にどう組んだのかを、もう少し具体的に書いておきます。同じことをやろうとされる方の参考になればと思います。
日報
入力は写真とメモの2つだけ。出力は「作業内容」「進捗率」「明日の予定」「特記事項」の4項目です。特記事項が空でも構わない設計にしました。埋めなければいけない欄があると、無理に埋めようとして時間がかかります。
下書きの精度は、当初6割程度でした。運用しながら、この会社でよく使う工種名や資材名を辞書として足していき、3か月で9割まで上がっています。最初から完璧を狙わず、使いながら育てる設計にしたのが正解でした。
写真整理
現場ごとのフォルダを、工事が始まる時点で自動生成します。撮影した写真は、その場でフォルダを選んで投げ込む。工程の分類は候補を提示するだけで、確定は人が行います。
工程の分類精度は7〜8割です。それ以上を狙うと確認の手間が増えるので、意図的にこの水準で止めています。
報告メール
場面別に5つの型を用意し、現場状況を入れると該当する型で下書きが出ます。宛名と結びは固定文にして、変わるのは中間の3〜4行だけ。
送信前の確認は必須にしています。ボタンを2段階にして、確認せずに送れない導線にしました。
導入コストの内訳
よく聞かれるので、月額以外にかかった費用を書いておきます。
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| AIサービス利用料 | 月2.4万円 | 法人プラン・12ID分 |
| クラウドストレージ | 月0.8万円 | 写真保管の増量分 |
| 初期設定・辞書構築 | なし | 支援料に含む |
| 社内の作業時間 | 延べ約40時間 | 実測・調整・研修 |
| 合計(月額換算) | 月3.2万円 | 支援料とは別 |
月3.2万円で月180時間が浮いている計算です。ツール代そのものは、この規模の会社にとって障害になりません。障害になるのは、設計と定着にかける時間のほうです。
社内の作業時間40時間の内訳は、実測に12時間、設計の打ち合わせに10時間、調整と研修に18時間。この40時間を捻出できるかどうかが、実質的な参入障壁です。
「忙しくて時間が取れない」という理由で見送られる会社は多いのですが、40時間を惜しんで月180時間を失い続けるのは、割に合いません。ここを経営者が判断するしかない部分です。
経営者からよくいただく反論と、それへの答え
「AIに任せて、品質が落ちませんか」──落ちる可能性はあります。だから境界線を先に引きます。この案件では、施主に出す文章はすべて人が確認する運用にしました。品質が落ちるとすれば、それは設計の問題です。
「うちの社員には難しい」──この案件の12名のうち、パソコンが得意な人は3名でした。それでも10名が使えています。理由は、新しい操作を覚えさせなかったからです。写真を撮る、一言メモを書く。すでにやっていることの延長線上に置きました。
「情報漏洩が心配」──正当な心配です。この案件では、施主の氏名と住所は入力しないルールにしました。物件を特定できる情報を外すだけで、リスクはかなり下がります。また法人向けの契約なら、入力内容を学習に使わない設定が可能です。
「導入したあと、こちらが管理しないといけないのでは」──最初の3か月は月2〜3時間の調整が必要です。それを過ぎると、ほぼ手がかかりません。半年経っても手がかかり続けるなら、設計を間違えています。
「もっと安く済ませられませんか」──ツール代だけなら月3万円程度です。高いのは設計と定着にかける支援料のほうで、そこを削ると「入れたけど使われない」に戻ります。実際、自社で試して使われなくなったあとにご相談いただく会社が少なくありません。
この支援の、次にあるもの
この事例では3つの業務で月180時間を削減しました。次の主題は見積作成です。ここは単価表の整備という前提条件があるため、1年がかりの作業になります。そして見積が速くなれば、今度は受注が増えて現場が足りなくなる。改善は、常に次の詰まりを生みます。
詰まりが移動していくこと自体は、健全な状態です。同じ場所で詰まり続けている会社のほうが、危険です。
私たちが月次顧問という形をとっているのは、この「次」に付き合うためです。プロジェクト型で一度きりの支援にすると、仕組みは残っても、次の判断のときに相談先がなくなります。
逆に、社内で回るようになった領域からは、こちらの関与を意図的に減らしていきます。ずっと同じ量で入り続ける支援は、依存を作るだけだと考えています。
この会社でも、業務改善の領域についてはすでに関与を大きく減らしました。月次会議に同席する程度で、実務はすべて社内で回っています。
最後に ── この支援を振り返って
現場担当の方から、支援の終わりにこんな言葉をいただきました。「日報を書くのが嫌で、現場から事務所に戻るのが憂鬱だったんです。それがなくなりました」。数字には表れませんが、こういう変化のほうが、続く理由になります。
もう一点。この会社では、削減した時間の使い道を最初に決めていました。「施主との打ち合わせに使う」と。使い道を決めずに時間だけ空けると、別の作業で埋まってしまいます。何に使うかを先に決めておくことをお勧めします。
また、支援中に何度も申し上げたことがあります。「削減できた時間で何をするかを、先に決めてください」。時間だけ空けても、必ず別の作業で埋まります。この会社が施主との打ち合わせに充てると決めていたことが、結果として提案の質を押し上げ、追加工事の受注につながりました。効率化の成果は、その先の使い道までを含めて設計するものだと考えています。
この事例に関するご質問
この事例について詳しく聞きたい、自社の場合はどうかを知りたい、という方は、無料相談でお受けしています。30分、オンラインです。
事例の会社と業種や規模が違っても構いません。むしろ、違う条件での話のほうが、お互いに得るものが多いと思っています。
よくお受けするのは「うちの規模でも同じことができるか」というご質問です。答えは、たいてい「できるが、やり方は変わる」です。年商1億円の会社と10億円の会社では、同じ課題でも打ち手が変わります。そこをその場でお話しします。
支援に入る前に、必ず確認していること
どの案件でも、契約の前に4つのことを確認します。ここが揃っていない状態で始めると、途中で止まるからです。
- 経営者が、この件に時間を使う気があるか。現場に任せきりにする前提の依頼は、お断りすることがあります。数字と方針に関わる話は、経営者が入らないと決まりません
- 社内に、一緒に動く人が1人いるか。外部だけでは動きません。窓口になる方が1名いれば十分です。専任である必要はありません
- いま何が起きているかを、数字で測れる状態か。測れないなら、測るところから始めます。ここに1か月かかることもあります
- 半年から1年、続ける覚悟があるか。3か月で結果を求められる場合は、この支援は向きません。正直にそうお伝えします
4つ目でお断りしたことも、実際にあります。急いでいる会社に「時間がかかります」と言うのは気が引けますが、合わない支援を始めるほうが、お互いに損をします。
逆に、この4つが揃っていれば、業種や規模はあまり関係ありません。年商1億円の会社でも、10億円の会社でも、やることの本質は変わらないからです。
他のコンサルティング会社との違い
「他社と何が違うのか」とよく聞かれます。正直にお答えすると、やっていること自体は、そこまで変わりません。分析して、設計して、実行して、定着させる。手順は業界の標準です。
違いがあるとすれば、3つだと考えています。
| 項目 | 一般的なコンサルティング | Luzetra |
|---|---|---|
| 業界の理解 | ヒアリングで把握する | リフォーム経営25年。前提の説明が要らない |
| 実行の範囲 | 助言まで。実行は自社かベンダー | 開発まで一社で行う。切れ目がない |
| 成果の判定 | 報告書と定性評価 | 着手前に実測した数字と比較する |
2つ目が、実務では最も効きます。「こういう仕組みがあるといい」で終わらず、その仕組みを実際に作れる。ここでベンダーを挟むと、要件の翻訳に時間がかかり、意図もずれます。
3つ目は、当たり前のようで実行されていないことが多い項目です。着手前に測っていなければ、効果は比較できません。「体感で楽になった」は成果ではない、というのが基本姿勢です。
この事例をご覧になった方へ
ここまで読んでいただいて、「うちも同じかもしれない」と思われたなら、まず2週間、作業時間を測ってみてください。開始と終了の時刻をメモに残すだけで構いません。
それをやったうえで、判断がつかなければご相談ください。30分の無料相談では、売り込みをしません。状況を伺って、何が効きそうかだけをお伝えします。その場で契約をお願いすることはありません。
合わないと判断したときは、そう申し上げます。「いまはAIを入れるの段階ではない」とお伝えして終わったご相談も、実際にあります。無理に契約しても、お互いに時間を失うだけだからです。
ご相談の前に用意していただきたいもの
直近3期の決算書があると、話が早く進みます。なければ試算表でも構いません。数字がなくても相談は可能ですが、具体的な話に入るまでに1回多く打ち合わせが必要になります。
Result
数字でみる結果
| 項目 | 支援前 | 支援後 |
|---|---|---|
| 削減できた工数 | — | 月180時間 |
| 人件費換算 | — | 年間420万円 |
| 報告メール作成 | 20分/通 | 3分/通 |
Voice
「人を増やすしかないと思っていました。増やさずに済んだ分がそのまま利益になっています。」
リフォーム/専務
Other works
ほかの事例
Management
総合建設/経営コンサルティング
赤字工事が、ゼロになった。年商8億の総合建設会社が、工事別の粗利を見える状態にするまで
粗利率 +3.2pt赤字工事 年12件→0件
AI & DX
リフォーム/DX・AI導入支援
月180時間を、取り戻した。22名のリフォーム会社が日報・写真整理・報告メールをAIに任せた話
月180時間を削減人件費換算 年間420万円
Development
自動車陸送/システム開発
ExcelとAccessの継ぎ接ぎから卒業。受注受付と配車を、自社専用システムに載せ替えた話
受注処理 月120時間削減配車ミス 8割減
Marketing
リフォーム/マーケティング支援
問い合わせが2.3倍に。広告費を増やさずに、検索からの反響を積み上げた話
問い合わせ 2.3倍獲得単価 5分の1
Training
建設/AI研修・コンサルティング
50名全員がAIを使う会社へ。研修と社内ルールを、同時に整えた話
利用率 12%→86%改善提案 3か月で41件
Business Plan
建設/事業計画書 策定支援
金融機関に通る事業計画書。10カ年の数値計画をつくり、設備投資の資金を確保した話
設備投資資金 8,000万円を調達10カ年計画を策定